のどに関する病気
喉頭炎(こうとうえん)
急性と慢性があります。嗄声(声がれ)が主な症状です。咽頭炎と異なり痛みを生ずることは稀です。急性喉頭炎は、ウイルス感染、刺激性ガスの吸入などにより起こり、急にかすれ声になります。炎症の広がりにより、のどの痛みや咳を伴うこともあります。喉頭鏡という鏡や喉頭ファイバースコープで観察すると、声帯が赤くなっているのがわかります。炎症により声帯の振動体としての性質が急に変化するために声がれが生じます。大きな声を出さないように注意し、声帯を安静に保つことが最も大切です。普通は2・3日で元の声に戻ります。長引く場合は、専門医を受診して抗生剤やステロイドを含む吸入薬をネブライザーという機械で吸入したり、炎症を抑える薬を処方してもらって下さい。無理に声を出し続けると、声帯ポリープができる危険があります。慢性喉頭炎は喫煙、無理な発声などが原因で声がれが長期間続く状態です。また気管、気管支、肺の慢性疾患に合併していることがあります。お年寄りでむせやすくなっている場合にも喉頭の慢性炎症を伴います。喉頭所見では声帯だけでなく、喉頭全体に充血や浮腫(むくみ)が認められ、気管や咽頭などの周辺器官にも炎症を伴っていることも少なくありません。治療は原因を取り除くことが第一ですが、原因疾患を治癒させることが困難な場合には、吸入や炎症止め、去痰剤などの薬剤を使って治療します。