めまいについて
めまいとは?
「めまい」とは便利な言葉で、色々な異常感覚が「めまい」の一言で表現されていますが、あなたの症状は以下の内、どれに当てはまりますか?
- 回転性めまい
- 自分がぐるぐる回ったり、自分の周囲が回転したり横揺れ、または縦揺れする感覚。回転遊具等に乗ったあとや電車に乗って窓から外を見ているときなどに感じる感覚に似ている。
- 浮動性めまい
- フワフワした感覚。よく「雲に乗ったような」感覚と表現される。
- 動揺性めまい
- 足元が定まらずヨタヨタ、グラグラする感覚。お酒を飲みすぎたときなどに出るような感覚。
- 眼前暗黒感
- いわゆる「立ちくらみ」。頭部から血の気が引く感覚。
- 脱力感
- 力が入らない、または力が抜けた感覚。「めまい」ではないが、「めまい」と訴える方が多いケース。
めまいを起こす病気には、耳鼻科・脳神経科・内科・眼科医などが担当する様々な病気が含まれています。そこで何が「めまい」の原因になっているかを探る(診断)する手続きが大切になります。
めまいを起こす主な病気
耳(内耳)の異常から起こるめまい(耳性めまい)
回転性めまいが特徴的で、吐き気が強く嘔吐することもあります。
- メニエール病
- 有名ですが、真のメニエール病はごくわずかです。普通、耳鳴りや片側の難聴を伴います。
- 良性発作性頭位めまい
- ある特定の頭の位置をとったときや、頭の位置の変化によってめまいが起こります。めまいを感じている時間は短く、じっとしていると1分以内にめまいは消えます。
- 中耳炎
- 中耳炎が内耳に波及したとき、内耳がウィルスに感染したときなどに、激しいめまいが起こることがあります。みみだれやかぜ症状、発熱などがポイントです。
- 前庭神経炎
- 長時間にわたって激しいめまい、吐き気、時に嘔吐が続きますが、聞こえが全く侵されないのが特徴です。
- 突発性難聴
- 片側の耳が急に聞こえなくなり、めまいを伴うものです。原因不明ですが、ウイルス説、血液循環障害説などがあります。
脳神経・脳の異常から起こるめまい
回転性めまいは少なく、動揺性または浮動性めまいの場合が多いです。
- 聴神経腫瘍
- 耳鳴りが最初の症状のことが多いですが、進行すると、難聴、めまい、顔面神経麻痺などが出現します。
- 脳腫瘍
- 小脳や脳幹の腫瘍で、めまいが起こることがあります。
- 脳血管障害
- (脳血管障害または脳血流障害)高齢者のめまいの原因として最も多いです。
- パーキンソン病
- パーキンソン病などの神経内科的疾患。
- 癲癇・うつ病
- 癲癇(てんかん)うつ病などの神経科疾患。
血液検査、心電図などで異常が出ないために見過ごされてきた病気の症状として「めまい」が訴えられることがあります。実際には、めまいで受診される方の内、ここに属する方が最も多いです。
- 更年期障害
- 血圧調節障害
- 自律神経失調症
- 発作性不整脈
- 心因性めまい
- 不安神経症
- 仮面うつ病
- 加齢による平衡機能低下
- 加齢による椎骨動脈循環不全
めまい診断の流れ
- 問診
- 患者さんの訴えを注意深く聞くこと。意外と重要で、これによって診断がついてしまうことも少なくありません。
- 検査
- ① きこえ(聴覚)検査 聴力検査・内耳機能検査・耳小骨筋反射・聴性誘発反応検査(ABR) ② めまい(平衡機能)検査 めまいに関する専門的な検査です。立ち直り反射・遮眼書字検査・自発眼振検査誘発眼振検査(頭位変換眼振検査・温度眼振検査・視運動眼振検査・指標追跡検査)重心動揺検査・画像診断(レントゲンなどの検査)CT、MRIが必要な場合は、連携病院に撮影を依頼します。これら結果によっては、脳神経外科、神経内科、内科、眼科などに紹介することがあります。
- 診断確定
- 最終的な病名がつきます。治療または他科の紹介になります(脳神経外科・神経内科・内科・神経科・眼科)。