のどに関する病気
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
急性扁桃炎が急激に悪化して、扁桃腺を包んでいる膜(被膜)の外側に多量の膿が溜まることがあります。こうなると激しいのどの痛みと嚥下困難だけでなく、口を開けることすら困難になります。緊急に治療を要します。治療は、膿瘍を穿刺して膿が溜まっていることを確認したあと、軟口蓋粘膜を切開して膿を口腔側に排出します。また水分摂取が不足して脱水状態になっていることが多いので、水分を点滴で補給するとともに、抗生剤を点滴します。切開しない場合、運良く扁桃腺の一部が破れて、咽頭内に自然排膿されることもありますが、頚部の粗い組織の中を膿が流れ下り、胸部に流れ込んで極めて重篤な状態に陥り、生命に危険を及ぶこともあります。扁桃周囲膿瘍を繰り返し起こした場合には、いったん炎症が治まってから、扁桃腺摘出手術を受けるのが望ましいと考えられます。