鼻に関する病気
症候性鼻出血(しょうこうせいびしゅっけつ)
原因となる疾患があって起こる鼻出血を、症候性鼻出血といいます。原因となる疾患で最も多いのは高血圧ですが、他に肝硬変や、出血傾向を伴う白血病などの血液疾患があります。また、脳や心臓の血液循環障害を予防するために血液凝固阻止剤が投与されている場合にも鼻出血が起こりやすくなります。出血部位は、キーゼルバッハ部位のみならず、鼻腔側壁、鼻中隔後端などからも出血します。止血困難なことが少なくありません。出血量も多くなります。時には血圧がショックレベルまで低下し、輸血を要することもあります。出血が始まったときの注意点はいくつかあります。まず、寝るよりは座った状態が望ましく、すなわち、頭部を心臓の位置より高く保持します。続いて、出血している側の鼻孔にたたんだティッシュを挿入して鼻翼を両側から強く圧迫します。圧迫している部分より後方から出血していると血液がのどに回りますが、決して飲み込まず、口から吐き出すようにします。吐き出した血液は捨てずにためておいて、医療機関に到着した際に医療担当者に見せて下さい。出血量を推定するのに大変参考になります。鼻出血で死亡することはまずありえませんので安心してください。パニックに陥ると血圧が上昇し、出血量をいたずらに増やす結果になります。