病気・治療の解説

のどに関する病気

喉頭麻痺
こうとうまひ

声帯麻痺または反回神経麻痺ともいいます。左右の声帯は、発声時には閉じて振動し、声の音源となっています。また、物を飲み込むとき・咳・くしゃみ・咳払い・いきんだときなどにも閉じています。これに対して、安静にしているとき、息を吸い込んだときには開いて、鼻やのどと気管・気管支・肺を結ぶ空気の通路になっています。これらの声帯の働きが正常に遂行されるためには、左右の声帯の運動がスムースであることが条件です。ところが何らかの理由でどちらかまたは両側の声帯が麻痺すると、声がれ・むせ・呼吸困難が起こります。片側の声帯が麻痺することが圧倒的に多く、両側の声帯麻痺は稀です。片側声帯麻痺の症状は声がれです。初めのうちは、むせやすくなることもあります。声の質は、ハスキーで力のない声(気息性嗄声)です。両側声帯麻痺の症状は、非常に強い声がれ・むせ・または呼吸困難です。呼吸困難となるタイプの両側声帯麻痺では、息を吸い込むときにゼイゼイ音がするのが特徴です。声帯は、手足と同じように自分の意思によって動かすことのできるいくつかの随意筋によって運動しています。これらの筋のうち、一つを除いて反回神経という迷走神経から枝分かれした神経により支配されています。反回神経の「反回」は、後戻りするという意味です。その言葉通り、この神経は頚部で迷走神経からいったん枝分かれした後、胸部まで下降し、甲状腺の後ろを通って喉頭に戻ります。解剖学的な理由から、左側の反回神経がより深く胸部に進入します。声がれの原因が声帯麻痺にあるとわかった場合、さらにその原因として反回神経の進路に接している、食道・肺・甲状腺などに疾患がないか検査することが重要です。また、長時間の全身麻酔による手術を受けた後、声帯麻痺の起こることがあります。これは麻酔ガスや酸素の送気チューブの圧迫によるものです。ほとんどは1ヶ月以内に自然治癒します。治療にあたってはまず、声帯麻痺の原因疾患を明らかにすることが先決です。原因疾患が判明したらそちらの治療を優先します。高齢者でむせがひどいために肺炎を起こす危険がある場合や、呼吸困難がある場合には急いで治療します。症状が声がれだけの場合には数ヶ月はそのまま様子をみます。たとえ麻痺自体が回復しなくとも、代償機能が働いて、声の質が良くなってくることが期待されます。声がれがいつまでも続き、日常生活や仕事上の問題がある場合には、手術的に解決する方法もありますので、専門医に相談して下さい。

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